ワールド・ファミリー バイリンガル サイエンス研究所(IBS)が保護者向け特別講演会
「これからの英語の学び方と国際社会で生き抜く力の育て方」を開催しました!
2020年8月18日、IBSは、子どもの「非認知能力*」を育てる体験イベント「第22回ダヴィンチマスターズ」に特別協賛しました。当日は、保護者向けの特別講演会の様子をオンラインで配信。IBS所長 大井静雄によるあいさつから始まった約1時間半にわたる講演会では、これからの子どもたちは「英語を学ぶ」のではなく「英語で学ぶ」、「英語を使う」ことが必要、という議論が展開されました。
基調講演
「これからの英語の学び方 ~高度グローバル人材の養成に向けて~」(IBS 学術アドバイザー 原田哲男)
「中学校や高校で初めて何かを英語で学ぼうとしても、英語力が追いつきません。年齢が上がれば上がるほど、内容で要求される英語力と学習者の英語力の差は広がっていきます。だから、早期からの外国語教育は必要なのではないかと思います」
講演では、バイリンガル教育やイマージョン教育、「CB(I Content-Based Instruction:内容重視教育)」または「CLIL(Content and Language Integrated Learning:内容言語統合型学習」などを例に、早くから外国語で算数や理科などの教科を学び、外国語での抽象的思考力を育てることの重要性が語られました。英語を学ぶことを目的とするのではなく、できる限り早い段階から英語で思考できるようにトレーニングすることを目的とした学びが大事だと言えます。
パネルディスカッション
「国際社会で生き抜く力の育て方 ~高度グローバル人材の養成に向けて~」
著名な研究者のみなさまを交えて、国際社会で生き抜くには子どもはどんな力を身につければいいのか、医学、言語学、教育学などのさまざまな視点で、ディスカッションが展開されました。その中でのコメントを一部ご紹介します。
お茶の水女子大学基幹研究院 人間科学系 教授
浜野 隆 氏
非認知能力には、やる気、粘り強さ、忍耐力、対話力、思いやり、信頼、協調性などがあります。失敗から立ち直り、あきらめずにモチベーションを保てることも非認知能力です。幼少期からの環境がその子どもの非認知能力を形成していきますので、大きくなってからも、どういうメッセージのもとに育ててあげるのか、ということがすごく大切です。英語を習得したり、グローバルに活躍するうえで、そういう総合的な人間性のようなものが礎になり、国際社会で生き抜く力になっていくと確信しています。
慶應義塾大学名誉教授
田中 茂範 氏
これからは、自分で主体的に考えて判断して表現ができる「たくましさ(自己表現力)」と、違いと向き合いながら自分の常識を変えていける「しなやかさ(対話力)」が重要だと思っています。英語力に関して言えば、プレゼンテーションなどの「自己表現力」と、ディスカッションを通して問題解決ができる「対話力」。21世紀は「対話」の世紀だろうと言われていて、言葉の重要性が増していくことを考えると、英語教育は必要であり、日本のような環境でも身につけられると思います。
ドイツ・ハノーバー国際神経科学研究所(INI)
小児脳神経外科 名誉教授 IBS 所長
大井 静雄
言葉の根底にあるのは、やはり人間性だと思います。医師にとって、英語で医学用語を知っていることや医学の知識を英語で表現できることは最低限必要ですが、さらに、患者さんの心を読んだり、患者さんの悩みを聞いたりして医学的に癒していく、というときにも英語力が必要です。
早稲田大学教育・総合科学学術院 教授
IBS 学術アドバイザー
原田 哲男
継続的な学習が行われる限り、英語の音を聞き取る、発音する力は小さいうちから始めたほうが身につきやすいと思います。一方で早期英語学習の利点は、音だけでなく、柔軟な考え方を持ったり、人の気持ちに共感できるようになったりと、人間にとってもっとも大切な能力を身につけられることにあるのではないでしょうか。
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